Ayameikeあやめ池 井上雅由

Saturday, December 23, 2006

あやめ池のヒマラヤスギを守る


あやめ池のシンボルの一つ“ヒマラヤスギ”を守ろう

 奈良市は近鉄所有のあやめ池下池を半分埋め立てて、
都市計画道路の位置を北側に変更して道路を建設すると発表しました。
 あやめ池には多くの緑が残っていますが、今回の下池を半分埋め、
道路の位置を変更する計画で何本の木々を伐ってしまうのでしょうか?
 菖蒲池駅から北を眺めると、目前にヒマラヤスギが数本、続いて桜の並木、
遠くにメタセコイヤの林があります。ヒマラヤスギはメタセコイヤ、桜と並ぶ、
あやめ池のシンボルとなっている樹木です。
 この“ヒマラヤスギ”は12月、クリスマスのシーズンには
綺麗に飾り付けられてすばらしいクリスマスツリーとして
菖蒲池駅の乗降客を楽しませてくれました。
その飾りのコードは永い年月の間に巨樹に成長しコードを取り込み、樹木と一体化しております。
「奈良市巨樹等の保存及び緑化の推進に関する条例」に基づいて
保存するに匹敵するほどの木々です。
 今、これらの“ヒマラヤスギ”が危機に瀕しています。
 これらの木々は今回変更する道路計画のルート上にあり、伐るか移植するかが必要となるようです。
移植することは大手術であり、たいへんなリスクがあります。 
あやめ池のシンボルの一つであるこれらの“ヒマラヤスギ”を失うことは
あやめ池地域の価値を低下させることになります。 
“ヒマラヤスギ”を守るための行動を起こします。

Tuesday, December 19, 2006

持続可能な心豊かな社会を目指してのまちづくり


持続可能な心豊かな社会を目指してのまちづくりに関して
    あやめ池下池の埋め立による道路建設、駅前広場建設を考える

 今、日本は少子高齢化の社会になりました。また異常気象や談合、汚職、いじめ、自殺など社会全体が病んでいるとしか思えない報道が続いています。私たちは、より豊かに、より便利に、より快適にと邁進してきました。そして、豊かな生活を手に入れましたが、それと同時にかけがえのないもの失ってしまいました。本当に豊かな生活、社会とはどんな社会か子どもたちに引き継ぐ幸せな社会をじっくりと考える時機です。
 齢化社会による問題点は人々の自由な移動ということも重要な問題です。高齢化によって運転免許をいつまで持ってマイカーで移動するのか?運転免許を返還した時、この人々は移動の手段を失い、不便と言われている公共交通に頼らざる得なくなり、移動の自由は確保できなくなります。しかし、この問題を解決することは簡単です。コニュミティバスの運行など公共交通優先の交通システムを作り上げることで解決します。よって、新しい道路、駐車場に投資するのではなく、社会システム作りに投資することが肝要です。
 共交通優先の交通システムは、車を運転できない人々の移動の自由を確保するのみだけでなく、マイカー利用の削減をもたらし、マイカー利用の削減は地域社会や地球環境に限りなく良い影響をもたらします。交通事故の減少や道路建設の理由となっている交通渋滞が緩和され、新しい道路が不要になり、救急車など緊急通行の必要がある車が自由に通行でき、渋滞による到着遅れが解消されます。地域の人々が触れ合う機会が増え、仲良くなり人の繋がりが戻り、犯罪の減少が期待できます。 生活環境面では、大気汚染、水汚染、騒音の減少に繋がり、事故の心配も減ります。一方、地球規模の問題である地球温暖化の主要原因である車からのCO2排出が削減されます。
 上記の通り、公共交通優先の交通システムは福祉問題、環境保全問題などを解決する答えとなります。今まで歩いてきた道では、本当の幸せを実現できないことに気がつきました。今までの考えを大きく転換して、真の豊かさを実現するための新しい道を歩くことが、今吹き出している問題を解決する早道です。
 、あやめ池遊園地の跡地利用に関連して、都市計画道路平城学園前線をあやめ池下池を埋め立てて道路の位置を変更する、駅前広場を建設する計画原案が議論されております。
 上記の高齢者福祉、地域のコミュニティ、環境保全の視点からこの原案を検証する必要がありますが、この原案では道路建設、駅前広場建設だけが提案されており、どんな交通システムで、どんな社会にするのかが提案されておらず(これは、あやめ池遊園地跡地利用検討会の提言でも同様で、理念は記載されているが、具体策は記載されていない。)昔の開発型の時代錯誤の計画となっています。
 現在、公共事業は、破壊した自然を取り戻すために、コンクリートで固めた護岸を自然に戻す工事、ヒートアイランド現象を緩和するためにわざわざビルの上を緑化する工事などを進め、いかに自然に戻すかを考えています。また、人間のことだけでなく、そこに住む動物そして植物の命も考慮して事業計画することが当然のこととなっています。幸いこの地は身近に自然が残っておりますのでこの身近な自然をいかすことで新たな工事(支出)は必要でなくなります。
 又、あやめ池は鎌倉時代に西大寺の中興の祖興正菩薩・叡尊上人が社会事業として造った池と言われており、国の史跡級の池(大和国西大寺領之図:東京大学文学部所蔵)であり、文化財保全の観点からの検討も必要です。世界遺産のまち古都奈良から歴史を発信しようと平城京遷都1300年記念事業を推進している一方で、価値ある史跡を埋めて道路を建設することは許されることではありません。
 治水利水面では、大雨時に一度に流さずに如何に水を溜めるかが問題となっており、学校の校庭などは、お金を使って水を溜める構造に整備してまで努力しています。今後は溜め池を造る時代が来るかもしれません。すでに東京は地下に巨大な貯水設備を作っています。
 上記の通り、少子高齢化が進む、地球環境問題解決が優先課題となっているこれからのまちづくりを考えた場合、あやめ池を埋め立てて道路を造るこの原案は時代に逆行する計画で見直しが必要であり、池を埋め立てることはあやめ池地域の価値を低下させ、更には世界遺産のまち奈良の価値を低下させるため、やってはいけないことです。
 小学生が言っていました「あやめ池の池を埋めたら、ここは“あやめ”になる」と。

Monday, December 18, 2006

あやめ池質問と再提案061212


奈良市からの回答に関して質問と再提案をしました。

奈良市長 藤原 昭 様
2006年12月12日
あやめ池の自然と歴史をいかす会
代表  井上 雅由
奈良市敷島町1丁目548-10

奈良市の都市計画道路「平城学園前線」の変更による
あやめ池下池埋め立て道路計画に関連する質問及び再提案

 11月9日の提案に対して11月22日に奈都計第188号の2にての回答ありがとうございました。 回答には都市計画の担当部門の姿勢は述べられていますが、具体的な説明がないところもありました。以下の項目を質問、再提案します。たいへんご多忙とは存じますが12月22日までに回答お願いします。

1.本計画案を撤回、見直しすること。つまり、下池の埋め立てによる道路計画 駅前広場を抜本的に見直すこと。 に対しては以下の回答です。
「本計画は、昨年12月に設置した「あやめ池遊園地跡地利用検討会」の提言を受け案を作成したものであり、また、地元自治会にも説明し一定の評価を得ているため抜本的見直しは行いません。」
又、本年3月24日付け奈計都第48号の2では
「1.あやめ池下池の埋め立てについて、都市計画道路平城学園前線及び北側駅前広場の整備について検討会で幅広く議論していただいておりすが、今後とも下池についての調整池機能の保全や周辺住民等の意向を勘案した総合的な検討を行って参ります。」 と回答を受けました。

 11月15日のあやめ池公民館での説明会(以下本説明会という。)では、「本説明会は住民の意見を聞くための原案説明会であり、意見を聴いて計画案を作成する」ことが確認されました。
 本説明会では、「池を埋めると言うことを初めて聞いた」との声がありました。又、この原案に続く西大寺や学園前方面の道路整備の見通しがないこと、駅前広場の形状、自然保護、文化財保護、市財政などの観点からこの原案にある池を埋めて道路をつくることに関しては、反対や疑問視する発言が圧倒的多数でした。
 奈良市は「あやめ池遊園地跡地利用検討会」の住民代表に、近鉄があやめ下池を埋め立てて駐車場を建設すると計画した際に、自治会員に説明をしないで独断で承認した連合会長を選出されました。
 あやめ下池を埋め立てて道路を整備するという原案を変更して、埋め立てないことを前提にした計画作成が市民の意見を聴くことになると考えます。 回答お願いします。 その際、「あやめ池遊園地跡地利用検討会」の提言の説明以降、住民等の意向調査を実施されておられましたら、調査の対象者、地域などその結果も併せて説明してください。
 又、現道を改修する場合と池を埋める場合で支出はどれだけ違うのか。文化財の保護に関しての考えも、説明をお願いします。
 「県は市の計画が法を遵守していれば同意し、指導はしない」ということでした。説明会では県から「同意できない」と「指導があった」と聞きました。説明お願いします。

2.あやめ池遊園地跡地利用計画は本都市計画案も含めて、利用計画で生活に大きい影響を受ける、あやめ池に隣接する学園朝日町、学園朝日元町、敷島町、中山西町などに対しても説明会を実施すること。 に対しては以下の回答です。
「本都市計画案及びあやめ池遊園地跡地の土地利用計画について広く周知を図るため説明会等の開催も含め検討して参ります。」

 各地で開催される説明会の具体的な開催日程、開催地域を示しください。 また、その他の検討がありましたら検討結果を示してください。

3.都市計画原案は、都市計画道路、駅前広場のみではなく、あやめ池周辺地域全体の都市計画を立案し、提示すること。 に対しては以下の回答です。
「今回の都市計画原案は、遊園地閉園に伴い大規模な低・未利用地が発生したため、未利用地の有効活用により交通結節機能の強化、駅前機能の整備による地域ポテンシャルの向上等を図り、都市計画マスタープランで位置づけている地域核(地域生活拠点機能)とするため、利便性、安全・安心及び快適性を備えるまちづくりに資するための計画原案です。あやめ池遊園地跡地周辺地域の都市計画については、現行どおりの都市計画を維持し、現在変更の予定はありません。」

 「あやめ池遊園地跡地利用検討会」の提言は、あやめ池下池を埋め立てない、道路計画も変更していないことを前提にまちの骨格構図、ランドスケープ概念図などが描かれております。計画道路の位置を変更することで提言の全てに影響を与えますが、まちの骨格構図、ランドスケープ概念図などは提示されておりません。今回、変更した道路計画を反映した、骨格構図、ランドスケープ概念図など変更前と同等の詳しさで提示、説明をお願いします。
 
4.その他
 1)計画立案に際しては、歩行者に優しいまちづくり及び地元の活性化を優先すること。 に対しては以下の回答です。
「都市計画道路及び駅前広場の歩道幅員やその整備については、国土交通省が定めた「道路の移動円滑化ガイドライン」に則り全ての人にとって使いやすい構造となるよう計画しております。駅前広場の位置についても、あやめ上池への眺望と遊歩道へのアクセスを考慮の上計画し、あやめ池固有の環境と調和した地域価値の向上を図っています。」

 地域価値の向上は是非お願いしますが、あやめ池そのもの、池周辺の桜並木や周辺の緑が地域価値と理解しておりますが、回答の中にある地域価値を具体的にお示しください。
 駅前広場の原案作成は、騒音などの生活環境や地球温暖化防止などを配慮した周辺地域内の交通システム(徒歩、自転車、公共交通優先が重要)の計画に沿ったものと考えます。計画、進捗状況を説明してください。

 2)計画案が作成された時点で、詳細な環境アセスメントを実施すること。
に対しては以下の回答です。
「土地利用計画案に基づき土地の形状の変更がなされる規模は20ha未満であり、奈良県環境影響評価条例に抵触しないため詳細な環境アセスメントは実施されません。しかし、都市近郊には珍しく自然環境が豊かであることから環境調査については、第三者機関である調査専門会社にて実施中です。」

 「あやめ池遊園地跡地利用検討会」には動植物の専門家は選出されませんでした。今回の調査専門会社が実施している調査項目及び調査専門会社の担当者の専門性を説明してください。

 3)検討会の方向性にある項目を具体化すること。
①メタセコイヤの原木及びその群生林の保存 に対しては以下の回答です。
「メタセコイヤ周辺を公園、緑地として整備を行い、できるだけその中で保全に努めます。」

「奈良市巨樹等の保存及び緑化の推進に関する条例」(平成15年4月1日施行)がありますが、本条例に基づいてメタセコイヤの原木及びその群生林を保存することが、市の緑を大切にする姿勢に一致する施策と考えます。本条例に基づいて群生林としてこの付近一帯を保存することを提案します。

 4)環境教育を実施できる場の機能を導入すること。 に対しては以下の回答です。
「あやめ上池の水辺空間を活用した環境教育の場となる親水空間の導入についても遊歩道の整備にあわせて検討して参ります。」

 安全管理の視点のみで池をフェンスで囲ってしまうのではなく、人々が池に入れる場も作ることによって、大人と子どもが一緒に水辺の楽しさ、心地良さ、そしてその危険性も共に学ぶ総合的な教育の場としての整備をすることが、昨今問題となっているいじめや虐待の防止のための、子ども同士、親子のコミュニケーションの場として役立つものと考えますので提案します。

 5)鷺の営巣地の保全。 に対しては以下の回答です。
「鷺の営巣地については、あやめ館周辺で確認されており、今回の事業で営巣地を直接施工するものではありませんが、周辺の施工にあたっては、可能な限り繁殖期を考慮し、また、騒音・震動にも配慮するよう指導いたします。」

 鷺は、今年はあやめ館付近で営巣しましたが昨年は違う場所でした。昨年まで営巣していた林に関してはいかがでしょうか?

 6)奈良市財産区財産に準じる扱いであるあやめ上池周辺を早く住民が自由に歩ける状態にすること。 に対しては以下の回答です。
「あやめ池上池の水辺空間と旧遊園地内既存樹林の緑は、都市近郊には珍しく自然環境が豊かであります。この貴重な地域資源である水辺空間と緑を誰もが享受できるよう道路や遊歩道の整備が早期に完成できるよう進めておりますので事業にご理解ご協力願います。」

 住民が納得した事業には協力します。 工事が開始される時期は存じませんが、周辺地域への説明会を実施し、合意を得るまでには時間がかかるものと推察します。「上池周辺を散歩したい」という住民の期待に応えるために、遊歩道を整備する工事が始まるまでの間に、住民、市民が上池付近を自由に散歩できる状態にする考えはありませんか。

以上、よろしくお願いします。